窯変雁文茶盌
窯変雁文茶盌
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この茶盌は虫明伝統の灰釉を掛け、窯変(ようへん)と呼ばれる若草色と枇杷色が入り混じった色合いです。窯変は窯焚きの際に、松木の煙が窯の中で流れて、器に掛けた釉薬に煙がよく当たった部分が化学変化を起こして若草色になり、あまり当たらかなった部分が化学変化を起こさずに枇杷色になったものです。1本の釉薬が窯の中で変化して発色した貴重なものです。窯変は1回の窯焚きで1〜2割くらいしか取れません。また、正面には月に雁の画が描かれ、大きな羽を広げて飛ぶ雁が雄大な姿で印象的です。切高台になっていて、高台の畳付きには虫明の特徴である焼成時に籾殻を敷いて焼いたことによるアルカリ分が紅く発色していて、味わいのある茶盌です。
桐箱付/11.5×6.2(cm)