アジサイ
梅雨時に咲く代表的な花木のアジサイを生けています。
この壺はシンプルなフォルムです。表面には削った際に出来た短冊状の土を小さく割って貼り付けて、凹凸の装飾を施しています。遊び心から思いついて制作したものです。
上部は虫明の松の灰釉を掛け、その上に雑木灰による青い釉薬を二重掛けすることで、青白い釉薬調に発色し、凹凸による流れの変化が面白いです。釉薬の溜まりが綺麗です。中央部分は虫明の灰釉を薄くかけて焦がしにしていて、下部は灰釉による若草色に発色し、見どころの多い壷です。
梅雨を思わせる青い釉薬がアジサイの鮮やかな色合いを際立たせてくれています。
灰釉彩壺(黒井博史作)