荒土茶盌の魅力
父・千左は近年、工房近くで採土した小さい石が混じった焼くと紅い緋色がくる荒土を見つけ、その土を使って手練りで茶盌を制作しています。
きれいにすいひした土を使って作る茶盌と違い、おとなしい深みのある虫明の灰釉に土見せ部分の荒々しい雰囲気が融合し、とても魅力ある茶盌です。上部にはわら灰を基調とした乳濁釉がほどよく流れ、変化があります。
手練りによって成形し、竹べらでこそぐことにより、ヘラ目が入ってフォルムに不規則な変化が生まれ、小石が混じった土見せはざんぐりとした質感で、紅い緋色も目を引きます(実際は画像よりも明るい緋色です。パソコンに取り込んだら色が実際よりもおとなしい感じに写っています)
高台の中にも釉薬を掛けたときに飛んだものがそのまま残してあって、おもしろいです。
父は様々なフォルムや口縁、高台の削り、釉薬のかけ方を変えた荒土茶盌を作りだし、個展での評判も上々ですが、中々、自分が納得できるいい茶盌は思ったように取れないようです。興味のある方は窯元ギャラリーやHP、ふるさと納税サイトなどでご覧ください。